制約される国内・海外拠点間の移動

2020年1月から始まった新型コロナウィルスの流行に伴い、世界中で厳しい移動制限が行われた。国内においては、首都圏や大阪などの感染者が多い地域からの移動は特に厳しく制限され、同じ会社であっても日本各地にある拠点間の移動が出来ない時期も多かった。また、海外については渡航制限があり、ビザが下りないなど、現地へ赴くことが出来ないケースもあった。これまでは、出張して行っていた他拠点の視察は一転して難しくなり、リモートでの情報共有が余儀なくされた。

ここではPLANTAXIS®を使って実際の現場を共有し海外工場の建設プロジェクトに役立てた事例を紹介する。

コロナ後の実際

2020年1月から始まった新型コロナウィルスの流行に伴い、世界中で厳しい移動制限が行われた。その時、海外での工場建設プロジェクトが進んでいた。プロジェクトマネージャーや担当者は既に現地に出向していたが、出張ベースでの支援を想定した技術支援メンバーは現地入りすることが出来ず、日本からリモートでの参加となった。

コロナ後の実際

2020年1月から始まった新型コロナウィルスの流行に伴い、世界中で厳しい移動制限が行われた。その時、海外での工場建設プロジェクトが進んでいた。プロジェクトマネージャーや担当者は既に現地に出向していたが、出張ベースでの支援を想定した技術支援メンバーは現地入りすることが出来ず、日本からリモートでの参加となった。

暗黙知を3Dモデルを利用し具現化し、拠点間の意識共有をスムーズに

この会社は海外工場の建設については何度も経験があり、今回もその中の1つではあったが、少し違いがあった。それは、国内1拠点のみで製造しているプロセスであり、それ以外で初めての工場建設だったということだ。

何度も建設をしている主力商品については、その設計・製造ノウハウは細部にわたって文書化されている。しかし、今回は1拠点のみで生産している品目だったため、現場の暗黙知としてオペレータやエンジニアの頭の中に情報があった。短い設計期間の間に、これらの情報を全て引き出すのは現実的ではない。このため、PLANTAXIS®を活用することにした。

モデルとなる工場を3Dスキャンし素早く図面に落とす

PLANTAXIS®に表示された国内拠点を元に新たな工場の３D図面に落としていく。国内工場の設計時の図面も見ているが、それから現場が精算のために改善して、少しずつ現場は変わっている。これら、プロセス上、運転上重要なポイントについては、PLANTAXIS®を見ながらそれぞれの専門家が説明をしていくことによって、設計の質は向上させていった。

さらに、3D図面を日本でチェックバックすることで満足する図面を完成させることが出来た。また、試運転については現場の運転データを遠隔で確認することで、チェックをすることが出来た。

３Dがなければ成功しなかった生産拠点の海外展開プロジェクト

技術支援者は言う。「これまで何度も建設してきたプロセスなら、おそらくコロナ禍でもあまり大きな問題にはならなかっただろう。しかし、今回は初めてコピーするということで情報が体系化されておらず、蓄積もされていなかった。このような状況で、日本の現場を見ずに設計、施工、試運転とステップを進めていくのは非常に困難だと思う。今回はPLANTAXIS®を使って実際の日本の現場を現地が見ることが出来、それを忠実にコピーすることが出来たので、何とかプロジェクトを遂行することが出来た。」